- K.T.F.カスタムスプールへのSVSユニット移植ってどうするの?
- やっぱり移植作業は自分でできない、やりたくない場合はどうすれば?
この記事では、大注目&大人気のK.T.F.カスタムスプールを使うにあたって、避けては通れないシマノSVSユニットの移植のヒントについてお届けします。
過去に何度もSVSユニットの移植を経験してきた筆者が、K.T.F.スプールの換装作業に悩んでいる方に向けて、お役立ち情報をまとめました。
ぜひ最後までお読みください。
SVSユニット移植の苦悩

やっとこさの思いで入手したK.T.F.スプール(シマノ用)を使用するにあたって、私たちの行く手を阻むのが、SVSユニットの移植作業です。
K.T.Fカスタムスプールには、SVSユニットが付属していません。
よって、スプール本体のみでは、リールとして使えません。
このため、K.T.F.カスタムスプールに換装するにあたっては、SVSユニットの移植作業が必須になるのですが、この難易度が非常に高いです。
私は今まで何度も移植作業をしていますが、毎回「しばらくやりたくないな」と思うほど苦労します。
単に私が不器用なだけ、、という可能性もありますが、悩まれている方は多いのではないでしょうか。
そもそもSVSってなんだっけ? 「シマノバリアブルブレーキシステム」の略
↓SVSユニットはスプールに付属しているコイツのことです

SVS (シマノバリアブルブレーキシステム)
敏速な立ち上がりとフルキャスト時ののびやかな弾道を誇る、遠心力ブレーキの一つの完成型。ブレーキカラーは手動でON、OFF切り替えが可能です。
https://fish.shimano.com/ja-JP/support/c/product-related/technology/reel/bt.html
SVS ∞ (インフィニティ)
軽快な立ち上がりと抜けるような伸びの良さから、ポイントの奥の奥を狙い撃つキャストアキュラシー、そして遠投性能を兼ね備える遠心力ブレーキ -SVS-。SVS∞(インフィニティ)は、ブレーキ調整幅が広く、外部ダイヤルの調整のみで幅広いシチュエーションに対応できます(内部ブレーキシュー:4個ON時)。さらに、内部ブレーキシューを調整すればより細かなブレーキ調整も可能です。
https://fish.shimano.com/ja-JP/support/c/product-related/technology/reel/bt.html
SVSユニット移植の方法
ここからは具体的に移植作業の方法を紹介します。
まず皆さんに見ていただきたいのでは、沢村プロのオフィシャルブログ「サワムラ式」内の公式の移植方法です。
今回はこれをベースに、経験者目線で作業のコツをお伝えします。
作業に必要なもの
- シャフト径2mm程度の六角レンチ
- ハンマー(その代わりになるもの)
- 厚紙
- ウェットティッシュや薄い布
移植作業のコツ
リールのカスタム作業は全て自己責任でおこなってください。
①ハンマーで叩いて圧着を外す
純正スプールのSVSユニットはガッツリ圧着されていますので、まずはSVSユニットの裏側から六角レンチを差し込んで「それなり」の力で「位置をずらしながら」、ハンマーでたたいてください。
まずは加えた衝撃でスプールシャフトに固着したSVSユニットを引き剥がすイメージです。
※たたく部分は傷が入らないように厚紙等で保護してください。
②ウェットティッシュや薄い布を使って引っ張りあげる
この先はスプールエッジを傷める「付属割り箸のテコの原理作戦」よりも、「ウェットティッシュや薄い布を使って引っ張りあげる作戦」をおすすめします。
片手でスプールを固定し、もう片方でSVSユニットの根元にグルグル巻きにして引っ掛けたウェットティッシュを引っ張りあげます。
少しも動く気配がなければ、またハンマーで叩いてください。

③四方八方に力を加えて、少しずつ動かす
スプールシャフトを曲げないように、ほぼ垂直(少しだけ軸をずらして、回しながら)力を加えて、「少しずつ」持ち上げていきます。
焦りは禁物ですので、根気強く0.5mmずつ動かすイメージです。
④最後まで気を抜かない
最後の最後に、シャフトからSVSユニットが外れる瞬間がありますが、勢いあまって、パーツを飛ばさないように注意してください。
飛ばした先の固いものにぶつかって傷める可能性があります。
※冬の低気温時はあらかじめSVSユニットをドライヤーで温めてから作業することが推奨されています。
私は夏でも気分的に温めています。
※ちなみに純正スプールのユニット部に装着されているOリングは移植不要ですので、ご注意ください。
自力での作業は諦めた方への3つの回避策

せっかく入手したK.T.F.スプールを作業ミスで駄目にしたくないという方には、以下の方法をおすすめします。
①キャリルに作業を依頼する
キャリルに作業を依頼する場合は、660円(税込)で対応してくれます。
この場合は来店or郵送でリールを預ける形になります。郵送の場合は往復送料が別途必要になります。
詳しくはオンラインショップの商品ページを確認してください。
タイミングによっては、シーズン中にリールを預けることになるので、このあたりはデメリットですね。
②レイズスタジオのSVSユニットを活用する
手持ちで使っていないリール(かつSVSのバージョンが同じ)があれば、レイズスタジオのSVSユニットを購入して、他のリールからブレーキシューとブレーキシャフトを移植することで、SVSユニットの取り外し作業は不要になります。
SVSユニットの取り外しと違って、取り付けは誰でもできる簡単な作業です。
③受注生産のコンプリートエディションを購入する
そもそもK.T.F.カスタムスプールを入手した方向けの選択肢ではないかもしれませんが、いっそ受注生産のコンプリートエディションを買えば、諸々の換装/調整作業はすべてK.T.Fに任せることができます。
↓現在申し込みページが設けられているコンプリートエディションの情報です。
メーカー | リール | 価格(税込) |
---|---|---|
シマノ | 22アルデバラン(フィネス)Ver3 | 84,480円 |
シマノ | 22/20メタニウム(ネオ/フィネス)Ver3 | 82,480円 |
ダイワ | 21ジリオンSV TW(ネオ/フィネス)Ver2 | 79,800円 |
ダイワ | 20スティーズAIR TW(フィネス)Ver2 | 128,900円 |
ダイワ | 19スティーズCT SV TW(フィネス)Ver2 | 114,080円 |
20スティーズAIR TW用は脅威の12万越えです。。また19スティーズCT SV TW用は2~3ヶ月待ちのようです。
他機種もベース機の調達の都合で納期が遅れることがあります。
ベース機にカラーパーツ等が全部盛りの状態で、上の価格となっていますが、コンプリートエディションを購入する場合と、自分で新品のリール、パーツを揃えて、組み込んだ場合(DIYパターン)を比較すると、DIYパターンは1.5~2万円程度は安く仕上げることができます。
まとめ
そもそもシマノがSVSユニットをもう少し簡単に着脱できるようにしてくれれば、もしくは単品でパーツ販売してくれれば、こんな苦労はしなくていいのですが、、、簡単でもないですし、販売していません。
SVS∞(インフィニティ)のブレーキシューが万が一、破損・摩耗した際、お客様自身での取替えが出来ない仕様となっております。その為、下記対象機種にてブレーキシューの交換を修理にて対応させて頂きます。
https://www.shimanofishingservice.jp/support/svs_repair.php
カスタムスプールを選択するユーザーも増えるなか、なかなか困ったものです。
シマノさん何とかならないでしょうか。
